恋愛ってマッチングのこと・・・? (ツルゲーネフ『初恋』読後)

ツルゲーネフの『初恋』を読んだ。クラシックな作品で端正な文章に感じ入りながら読んでいたが、初めての恋を前にして、その幸福や苦しみに戸惑う少年の感情が丹念に描かれており、読み応えのある小説だった。

恋愛といえば、クリスマスシーズン到来で、テレビや雑誌では恋人と過ごすそれの大切さが何かとアピールされている。“クリスマスまでに恋人をゲット”とはよく聞くフレーズだが、ここでいう恋人は恋愛状態にある誰かではないのではないか。近くにいる人に近づいてみる、何となくうまくいけばそれでよし、うまくいかなければまた次へ。恋愛と言うより、マッチングと言ったほうが良いだろう。
マッチング自体が悪いとは言わないが、それを恋愛と語り、それがなくては生きていることにならないとし、周りにもほとんど脅迫的にその考え方を押し付ける態度には疑問だ。何度か見たことのある光景だが、恋愛至上主義的な女性が二次元のキャラクターに入れ込む男性を笑うのは、明らかにおかしい。

恋愛は恐ろしいものです。幸福と苦しみが同居し、「自分」と思っていた自分がなくなるか、少なくとも変容していく。それに恋や恋愛は状態を指す言葉なのだから、「みんな、恋しようよ」という使い方は間違っている。否応なく突入していってしまうものなんです。
一方、マッチングで結ばれ結婚して子どもを育てる……それはそれでいいんです。大抵のカップルというのはそうだと思うし、それで安定した生活と感情が得られ幸福感があるならいいと思う。ただ結婚そのものに伴っているひずみを無視もしくはクリアできる人は、あまり多くないでしょうけれど。
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